<仕事への取り組み方・スタンス その2>

相手の立場になり切る - "ぬいぐるみ効果"の極意

僕はその昔、ウルトラマンや怪獣が実は中に人が入っている、という事実を知ってから(はじめはホンモノだと思ってました)、一度でいいから中に入って世界の平和を守ったり、逆にビルなどを壊しまくって暴れてみたいと思ったものでした。
まあ今思えば同年代の子どもなら誰でもが持つ願望なのかもしれませんが、ふとそれが、いい大人になった今、仕事の取り組み方に少なからず影響を及ぼしていることに気づきました。
あ、決して今現在デパートの屋上で着ぐるみを着る仕事をこっそりやっている、ということではありません。

少々解説させてください。

仮に僕がウルトラマンの着ぐるみを身につけたとしましょう。
すると僕は僕であると同時に「ウルトラマン」という姿かたちに変身します。
そしていざ変身すると、立ち振る舞いやしぐさ、はたまたものの考え方や自分の存在意義までもが「ウルトラマン」でなければならない、という意識になるわけです(ヘンでしょうか?)。
なぜならば、あんな格好をしてタバコを吸ったり、酔って吐いたり、子どもをいじめたりしたら、それは「ウルトラマン」ではなく、くだらない別の無意味な存在になってしまうからです。
つまり、着ぐるみをまとうことで見た目も中身もその人(?)になり切ることができる…
僕はこれを「ぬいぐるみ効果」といつの頃からか呼ぶようになりました。
しかも、毎週欠かさずウルトラマンの一挙手一投足を見守り、研究し、理解し、尊敬するからこそ、自然にあの方の「ポーズ」が湧き出るわけで、「きっと次はこんな作戦で怪獣をやっつけるはずだ」「ここではスペシウム光線を使わないだろう」などという予測も成り立つわけです。
「ぬいぐるみ効果」の本質はというと、着ぐるみ自体は自分がその立場に身を置いているということの象徴にすぎず、最も大事なことは、いかに相手の立場になり切るか、そして相手をよく知らずして「なり切る」ことは不可能だ、という点。つまりウルトラマンに成り代わって仕事を全うするには、それなりに地道な努力と汗を伴う、ということであります。

…すみません、「ウルトラマン」はただの例なのですが少々熱く語ってしまいました。

そろそろ話を結論に持って行きます。

一言でいえば「X社が始めるサービスのWEBサイトを立ち上げる」「Y社の会社案内を制作する」時は、その会社の社長や担当責任者の立場になり切って仕事をする、ということでしょうか。
もちろんその社長さまやご担当者と同じスーツや髪型をして仕事をするわけではありませんが(そんなことをしたら仕事をいただくどころか出入り禁止になるでしょう)、そういう"気分"でことに当たると、不思議と他社の人間には不可解な命題も容易く理解できたりするものです。
ここにモノづくり・クリエイティブのプロフェッショナルとしての自分ならではの視点やアイディア、経験、技術などを注ぎ込むことで、おそらく「主張・嗜好性」「客観性」のバランスがとれた、極めて質の高い成果物が完成すると僕は確信しています。

最後に余談ですが、僕が副業(という割に真剣ですが)でやっている「ダイナマイトポップス」というお笑い系ロックバンドがありまして、昔の歌謡曲などをよくライブでやります。
必ず終盤に西城秀樹の「ヤングマン」を、お客に「YMCA」の踊りを強要しつつ演奏するのですが、「C」のみカタチが対称でない、つまり自分から見て「C」を作ると、相手からは逆に見えてしまう。「常に相手から見て"C"に見えるように」と思っていてもつい多くの方が間違えてしまいます。

相手の立場に立つ…簡単そうで、意外と難しいものです。(written by S.Hirasaka)